デュアルタスク?
デュアルタスクとは
デュアルタスクとは同時に二つ以上の課題を行う事を指します。日常生活においては、意識的にも無意識的にも多くの課題をこなしており、その中には同時にこなしている、あるいはこなさなければならない場面が数多くあります。
授業の時を思い浮かべてください。先生の話を聞きながら、それを理解してノートに書く。この時には先生の話を聞く(認知課題)、理解する(認知課題)、ノートに書く(認知課題+運動課題)の3つ以上の課題を同時にこなしております。
料理の場面では、火加減を見る(認知課題)、野菜を切る(運動課題)、器を用意する(運動課題)など多くの課題をうまくこなさないと、焦がしてしまったり、指を切ったりといった失敗をしてしまいます。
デュアルタスクが身体に
与える影響
日常生活は運動課題×運動課題、運動課題×認知課題、認知課題×認知課題など二つ以上の課題を同時にこなすことで成り立っております。本当は運動課題だけ、認知課題だけに集中した方が良いのですが、日常生活を送る上ではこれらの課題処理を同時に行わなければならない場面が数多くあり、その処理能力を高める事で良い事もたくさんあります。これまでにもお年寄りの認知機能低下防止や転倒予防のためにデュアルタスク処理能力を高めるエクササイズが行われ、その効果が示されてきました。ファンクショナルMRIという方法でデュアルタスク強化エクササイズを行ったところ、脳において動員される活動部位が減少する(コストが低下する)という結果を得ました。これはそんなに意識せずにできるようなった(うまくなった)と考える事ができます。これらは70歳以上のお年寄りでも比較的短期間にゴールに達することができます。
デュアルタスクを強化する事で
家族皆がマルチタスカーに
少し考え方を変えてみましょう。デュアルタスク処理能力を向上すればお年寄りの健康増進だけではなく、子供や生産年齢世代のパフォーマンスアップにつながるかもしれません。サッカーのミッドフィルダーは、敵の動き、味方の動きを瞬時に捉え、ゲームを組み立て、パスを送る、究極のマルチタスカーです。バラエティー番組の司会の方は多くのゲストのコメントを拾いながら(時に流しながら)、つっこみや自分のネタを含めたコメントを加えつつ、番組全体のバランスを整えていきます。仕事のできるサラリーマンは二つ以上の仕事を同時にこなし、周囲や家族への気配りも忘れる事はありません。お年寄りだけではなくて子供やお父さん、お母さんも家族が皆で、この新しい能力概念デュアルタスク処理能力を身につけていきませんか?